革新への足音

レコメンデーションの虚実(17)〜ソーシャルメディアが映画『マトリックス』を生み出す日〜-Itmedia

気になるところ抜粋。

 ここまでの一連の流れを再度押さえておけば、最初にOpenIDの普及が始まった。これは簡単に言えばWeb上の各サービスで使う認証システムを共通化しようというものだ。そうして昨年秋にはGoogleOpenSocialを発表し、SNSアプリケーション開発のためのAPを共通化した。この段階ではまだデータの共通化にまでは進んでいなかったのだが、11月に設立されたDataPortability.orgによって今度はソーシャルグラフのデータ共有へと一気に話は進みつつある。






 Second Lifeは、建物や身体、家具、自然物といったオブジェクトの集合体としてとらえ、それらをバーチャル空間内に配置することによって世界を再構成しようとした。一方zero-Matrixは、世界をオブジェクト同士の「関わり合い」によって再構成しようとしている。zakiさんは言う。「脳から見た世界は、リアルの世界であろうがバーチャルな世界であろうが、主観からつながる1つの客観に過ぎないんだと思うんですよね。実は現実世界の方が従属で、バーチャル世界の方がプライマリーかもしれない。単に脳の先に2つが並列しているだけなんだから。だからその意味で、現実空間もバーチャル空間もフラットなものとしてとらえられるはず」

 その主観の世界の中では、オブジェクト同士はSecond Lifeのように物理空間に配置されているのではなく、興味や愛情、反発、関心、購入、接続、消費といった主観的な行動――言い換えれば、そのモノに対する「干渉」によってつながっている。だったらその「干渉」をバーチャルの中で再構築することこそが、本当のバーチャルリアリティ(仮想現実)となるはずだ。そしてこれこそが、zero-Matrixの考え方である。







 zero-Matrixでは、その関連性をベイジアンネットワークや協調フィルタリングを使った「干渉」の計測によってマイニングする。世界に存在するありとあらゆるオブジェクト――「人」「建物」「自然」「商品」「店」「家具」「食べ物」「記事」「映画」「ブログ」「文学」を、「購買」「愛情」「奪取」「興味」「衝突」「支配」「関心」「無関心」「憎悪」「接着」といったさまざまな干渉によって相関関係をあぶり出せれば、それはリアルの世界を再構成するひとつのセカイ系となりうる。

 もちろんその「干渉のセカイ系」を完全に再構成しようとすると、いまの技術ではまだ無理だろう。とはいえ、このアプローチはソーシャルグラフの未来に導かれるべき、正しい考え方であるのは間違いない。

 ちなみにこの「干渉のセカイ系」のアウトプットを大脳につなぐことができれば、それは映画『マトリックス』の世界となる。もちろんそれは遠い未来の可能性の話だが――。ゼロスタートのもうひとりのメンバー、羽田寛さんは言った。「ビジネスとしてはまずマーケティングからスタートします。でもわれわれがやりたいのは、まったく新しい世界を生み出すことなんです」

久しぶりに先進的な記事を読んだ。

でもわれわれがやりたいのは、まったく新しい世界を生み出すことなんです

おれがやりたかったことを先にやられた。
僕とは違うアプローチだったけど、非常に賢い人たちだなー。

そして、僕はここまで具体的に落とせていなかった。
でも、見ているものはまったく同じものだな。


もう少し、あと5年くらいで次の革新がくるんだと思っている。
そして、彼らはそのことも予測しているように見える。とても興味深い。